患者の生活習慣病対策も看護師の仕事

出産育児を経た女性は体調が崩れてしまい、生活習慣病にかかる人が少なくありません。妊娠を機に体重が増加し、元の体型に戻らなくなったという女性は多いでしょう。食べ物の好みが変わったり、運動不足になったりすると、肥満や高血圧などの発症率を高めます。糖尿病や脂質異常症などは遺伝要素が関係していますが、カロリー過多や運動不足なども大きく影響しています。また介護生活が続いている高齢者は、口腔環境や咀嚼機能の低下から内臓疾患が増える傾向があるので要注意です。看護師ができることは、患者に対する適切なセルフケアの指導、モチベーションの活性化などです。生活習慣病を予防することが、病気のつらさを遠ざけるだけでなく、治療に伴う経済的な損失も防ぎます。

看護師の仕事は患者に健康意識を高めてもらうことです。薬は対症療法に活用するものであり、表面的な悩みを取り除けますが、身体を健康にする作用はありません。生活習慣病を予防するには冷え対策をしっかりと行い、自然治癒力が低下しないようにする必要があります。冷え性や低体温の患者は風邪やアレルギー疾患にかかりやすい傾向があり、また病気になると治るのに時間がかかります。冷えは血行障害の引き金となり、全身の細胞から元気を奪ってしまうのです。不健康は体重と体温に表れやすい性質があるため、これらの数値はこまめに計測しておく必要があります。患者の病気を治療することに加えて、健康を増進するのも看護師の仕事です。